リバプール戦術分析・マッチレビュー/vs サウサンプトン/ハイプレス相手には負けない。

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プレミアリーグ第25節。対戦相手はサウサンプトン(セインツ)です。

ところで、冬の移籍マーケット最終日の1/31、サウサンプトンの吉田麻也がセリエAのサンプドリアへ期限付きで移籍(どうやら半年の模様)するとのニュースが流れました。

サウサンプトンではキャプテンも務めた吉田選手。

世界でもっとも激しいと言われるプレミアリーグでDFとしてここまで上げてきた実績は申し分ありません。

次のステージでも是非活躍を期待したいと思います。

さて、戻って今節。

リバプールはサウサンプトンのゴリゴリのプレスに手こずりましたが、結果は大勝し、きっちり勝ち点3を手にしました。その勝因を探っていきたいと思います。

それでは私的戦術分析・マッチレビューです。

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Match Information.

プレミアリーグ 第25節
リバプール vs サウサンプトン
@アンフィールド
2020年2月1日(土)
24時00分 Kick Off.

試合結果

■Result
リバプール 4 – 0 サウサンプトン

■得点
リバプール/
47分 チェンバレン
60分 ヘンダーソン
72分 サラー
90分+1分 サラー

■交代
リバプール/
73分 チェンバレン → ナビ・ケイタ
81分 ワイナルデゥム → 南野拓実
88分 ヘンダーソン → ララーナ

サウザンプトン/
70分 イングス → アダムス
70分 ロング → オバフェミ
82分 ジェネポ → ブファル

私的戦術分析・マッチレビュー

まずはフォーメーションを確認しましょう。

リバプールのフォーメーションはいつもと変わらず【4-3-3】となります。

前々節マンチェスター・ユナイテッド戦、前節ウルヴァーハンプトン戦で慣らし運転として途中出場したファビーニョが本日スタメンに復帰し、定位置のアンカーポジションに入ります。

スタメン構成は以下の通り。

アリソン(GK)、アーノルド(右SB)、ゴメス(CB)、ファンダイク(CB)、ロバートソン(左SB)、ファビーニョ(アンカー)、ヘンダーソン(IH)、ワイナルドゥム(IH)、チェンバレン(左WG)、フィルミーノ(CF)、サラー(右WG)
南野拓実も前節に引き続きベンチ入りしました。

一方、サウサンプトン。【4-4-2】のフォーメーション。

マッカーシー(GK)、プラウツ(右SB)、スティーブンス(CB)、ベドナレク(CB)、バートランド(左SB)、ジェネポ(右SH)、ロメウ(CH)、ホイビュルク(CH)、レイモンド(右SH)、イングス(FW)、ロング(FW)がスタメンとして名を連ねました。

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サウサンプトンのスタイルに苦しむリバプール

サウサンプトンは引いて守るようなチームではありません。

ライプツィヒを率いていたラルフ・ハーゼンヒュットル監督のもとで、前線からの激しいプレス、そしてロングボールを躊躇なくいれてくるスタイルを取ります。

いわゆるストーミングと言われるようなスタイルと言っていいでしょう。

この点、リバプールも前線からのプレス、そして中盤での嵌め込みからカウンターというスタイルですので、お互いやりあうような試合展開になります。

序盤からサウサンプトンのツートップであるイングスとロングは、リバプールのビルドアップに対して執拗にプレスを掛けます。

リバプールは両SBのアーノルドとロバートソンがかなり高い位置取りをしていたため、ファンダイクとゴメスは数的同数を強いられますが、低い位置ではアリソンが加わることでプレスを回避していきます。

但し、少し高めの位置ですと、アリソンが加われなくなるため、サウサンプトンのプレスに苦しむ様子が伺えました。

この原因は何によるものだったのでしょうか?

その要因はファビーニョにあったと思います。

ファビーニョはアンカーのエリアでフリーな状況を作ろうと動いていましたが、イングスとロングによってカバーシャドウされてしまうので、リバプールとしては出しどころが無い状況を作られてしまっていました。

ファビーニョが負傷している際、主にアンカーを務めていたのはヘンダーソンでしたが、ヘンダーソンはビルドアップの際には両CBの脇、右か左SBの位置に下りることで数的優位を作り出し、そこから下りてくる両IHやフィルミーノあたりにパスを供給する機能を果たしていました。

これに慣れてしまっていたファンダイクとゴメスは少しストレスを感じたものと思います。

そしてこの点を修正すべく、ヘンダーソンをワイナルドゥムは最終ラインまで下りて、ビルドアップに加わる動きが何度か見られました。

Embed from Getty Images

サウサンプトンはハイプレス志向であるため、どちらかのサイドにボールが出ると、中盤4人がスライドしてきます。

このスライドによってエリアを圧縮してボール奪取を図りますが、リバプールは得意のサイドチェンジで起点を作りに行きます。

前半17分のシーン。

高い位置で受けたアーノルドに対して、サウサンプトンはスライドで守備の圧力をかけていきますが、反対にはロバートソンがアイソレーション状態を作り、ここで受けることで起点を作っていました。

こういうところを冷静にできるところもリバプールの強さだと思います。

後半早々のリバプールの先取点がこの試合の方向性を決めた。

前半は一進一退の攻防でしたが、後半早々にリバプールがチェンバレンのゴールで先取点を奪いました。

自陣ペナルティエリア内でボールを奪取すると、細かいパスを素早くつないだカウンターによる得点でした。

この得点によって、リバプールの結果としての大勝が決めづけられたかと思います。

すなわちリバプールに対してハイプレスの前のめりスタイルで挑んできたサウサンプトンですが、追い付くにはより攻撃的に仕掛けていく必要があります。

70分にはツートップを両枚変えたことを契機して、サウサンプトンはフォーメーションを【3-5-2】に変化させ、より攻撃的な布陣もみせましたが、結果として、攻撃の手を緩めなかったサウサンプトンは、その攻撃によってカウンターを受け、失点を重ねることになってしまいました。

この試合、リバプールは4点あげましたが、いずれもカウンターによる得点でした。

そもそもリバプールはカウンター志向のチーム。

そして前線のフィルミーノ、サラーの2人で仕留めるだけの個人の力量もあります。

加えて、フィニッシュの精度に差が出た試合でした。

この試合のスタッツを見てみると、両チームともガチンコの攻撃を仕掛けたため、シュート数が非常に多いものになりましたが、本数はほぼ同じで、リバプールが16本、サウサンプトンが17本。これだけ打っても点が取れなかったサウサンプトンのフィニッシュ精度は課題と言っていいでしょう。

引用元:WhoScored.com

南野拓実の位置づけ

81分に南野拓実が前節に引き続き途中出場しました。

ポジションは左WG。交代したワイナルデゥムのインサイドハーフの位置にはナビ・ケイタが入ります。

個人的にはスペースがあるところで仕掛けからの連動した動きを期待したいので、インサイドハーフでの起用はどうかと思っていますが、クロップ監督的には前線での起用を続けていますね。

この試合、移籍後初ゴールになりそうなシーンもありましたが、これは次回に期待しましょう。

感想

やはり完全に引いた相手との試合と比べると、時折のハラハラ感はあるものの、リバプールとしては仕留めやすい相手だったと思います。

引く相手の場合、やられる感覚は少ないですが、崩すのも大変ですからね。

これでプレミアリーグは16連勝。試合でみると42試合無敗。

クロップ監督は2/4のFAカップはトップチームは休むと明言しているので、次は2週間後となります。

その後はチャンピオンズリーグノックアウトステージも始まるので、ここでゆっくり休息して欲しいと思います。

チャンピオンズリーグ連覇も当然狙っているでしょうが、チームとしての最重要課題はプレミア制覇ですから。

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