リバプール戦術分析・マッチレビュー/vs シェフィールドユナイテッド/可変システムと高速カウンター

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プレミアリーグはここまで18勝1分で勝点32。2位レスターに勝点13差をつけて独走体制を決めつつあるリバプール。怒涛の過密日程であった12月をローテーション、2チーム出しで乗り切り、リバプールにとっての2020年のプレミアリーグがスタート。
疲れも残っているでしょうが、これからが後半戦。
圧倒的なスピード感、インテンシティの強いサッカーを引き続きみせてもらいたい。

ちなみに12月の戦績はこちら。9試合も戦っていたんですね。

  • プレミアリーグ5試合
    vs エバートン5-2◎/vs ボーンマス3-0◎/vs ワトフォード2-0◎/vs レスター4-0◎/vs ウルヴァーハンプトン1-0◎
  • チャンピオンズリーグ1試合
    vs  ザルツブルク2-0◎
  • クラブワールドカップ2試合
    vs モントレー2-1◎/vs フラメンゴ1-0◎
  • カラバオカップ
    vs アストンヴィラ0-5×

さて、今節。
相手はシェフィールドユナイテッド。前回は第7節で戦っており、ワイナルドゥムの得点によって1-0で勝利。トップ10に入っているとは言え格下相手。ここはきっちり勝っておきたいところ。

Match Information.

プレミアリーグ2019-20
第21節
リバプール vs シェフィールドユナイテッド
@アンフィールド 

2020.01.02 29:00 Kick Off.

試合結果

■Result
リバプール 2-0 シェフィールドユナイテッド


■得点
リバプール/
04分 サラー
64分 マネ

■交代
リバプール/
78分 マネ → オリギ
88分 ロバートソン → ララーナ
92分 サラー → エリオット
シェフィールドユナイテッド/
65分 ムセ → マクバーニー
66分 マクゴールドリック → シャープ
78分 ノーウッド → ベシッチ

私的戦術分析・マッチレビュー

いや、ストレスを感じつつも振り返ってみれば、横綱相撲のような試合だったと思います。完全に引いた相手に対してシステムを可変させ、且つ豊富な運動量で相手守備陣を拡散させて崩す。得点シーンでは高速の攻撃。リバプールの強さをまざまざと見せつけられた試合でした。
それでは私的レビューです。

フォーメーション

まずリバプール。基本フォーメーションは定石通りの【4-3-3】。ファビーニョが負傷中なので、現時点でのベストメンバーかと。
クロップの下でロングフィードやボール捌きの精度が大きく上がったヘンダーソンがアンカーを務める。

一方のシェフィールドは【3-5-2】のポジション。ボール保持時はこのポジショニングだが、ボール非保持時は、両サイドハーフが下がって【5-3-2】の布陣。ムセとマクゴールドリックのツートップがリバプールのビルドアップに対してプレスをかけていく恰好。

但し、この試合。シェフィールドユナイテッドが【3-5-2】で動くことはほとんどなかった。終始リバプールがボールを支配し、ポゼッション率はリバプールが75%に達する。
従って、完全にリトリートした【5-3-2】のツーブロックラインをどう攻略するか?そこがリバプールが唯一考えるべきポイントと言ってよいだろう。

序盤

開始早々からリバプールが得点する。アンフィールドのボルテージはキックオフ前から上がりっぱなしだと思うが、シェフィールドはもう少し助走期間が欲しかっただろう。しかしそんな余裕を与えないのが今のリバプール。

開始4分。ファンダイクからシェフィールドの左SBバルドックの裏を狙ったロバートソンへロングフィード。バルドックが若干足を滑らせたことが功を奏し、ロバートソンがクロスの定位置へ。そして伝家の宝刀アーリークロスを発射。
これに合わせたのはサラー。右WGのポジションからダイアゴナルランで5バックのブロックの隙間に走り込み、キーパーの手前でピンポイントでゴールに押し込む。サラーは今期10得点目のゴール。ロバートソンも早々にアシストを重ねた。

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先制したリバプールに対して、シェフィールドは前のめりにならなかった。早い時間に先制されてしまったということが一つの理由だと思う。まだ時間はあるので焦らずにいこう的なスタイルで「引き続き引く」ことを選択したのだった。それはそうだろう。下手に攻めに打って出れば、そこに待っているのはリバプールの高速カウンター。前のめりになれば、傷口を広げるだけと考えてもおかしくはない。

リバプールの可変システム

これに対してリバプール。先制したものの早めに追加点をとって試合を決定づけたいところであるが、引いたシェフィールドに対してどう対応したのだろうか?ここでとった戦術はシステムの可変であった。【5-3-2】で引かれた場合、ピッチ上では、中盤3枚のサイドとツートップ横にスペースが出来ることがわかる。

このスペースをうまく使っていたのがヘンダーソンだ。
相手のツートップがファンダイクとゴメスに対してプレスをかけてくるが、数的優位を作るためにヘンダーソンが右サイドバックの位置に下がり、3センターバックのようなシステムに変更する。これによりビルドアップの起点をまず増やした。

そして、アーノルド、ロバートソンは高めにポジションを取り、ミルナーがアンカーポジション、ワイナルデゥムがトップ下あたりに位置することで、中盤ダイヤモンド型の【3-4-3】のフォーメーションに変化。
これによってビルドアップ時は最終ラインで数的優位を確保し、中盤も相手3枚に対してリバプールは4枚と、こちらも数的優位を確保。この可変システムにより、リバプールが常にボールを支配している状況が続く。

そしてこの【3-4-3】はハーフレーンをうまく攻略する。
両サイドバックのアーノルド、ロバートソンが大外のレーンに張り、サラーとマネが内側2レーン目のハーフレーンに入ることで、(1)ポジショナルプレーでいう数的優位を作るための三角形がきちんと陣取れること(つまり同じ前後の選手が同じレーンに入らない)、(2)サラーとマネの横が空くことでアーノルド、ロバートソンが上がりやすくなる、というメリットがある。

リバプールはこの数的優位の状況からボールを支配し続け、隙あれば縦には早い展開を仕掛けることで得点シーンを作り出した。
前述した先制点もまさにそれである。

そして2点目も高速カウンターであった。
64分。アリソンがボールキャッチしてから、すぐさまロバートソンへリリース。
ロバートソンから縦に走るマネへサイドラインぎりぎりのスルーパス。これを受けたマネがゴールに向かってドリブル。ダイアゴナルに走ってくるサラーと高速ワンツーでマネがフィニッシュ。アリソンからマネのフィニッシュまでかかった時間はわずか11秒。速すぎる!

圧巻は58分のシーン。
自陣の深い右サイドエリアから、ヘンダーソン→サラー→マネへ縦パスをつなぐと、マネがトップスピードのままゴールに迫る。それと並行してリバプールの選手がわんさかとトップスピードで走りこんで来る。ワイナルデゥム、サラー、ヘンダーソン、フィルミーノ、ロバートソン。マネを含めると6選手があっという間にアタッキングサードに怒涛のごとく流れ込む。DAZN解説の下田さんも「あーっと、赤がゴール前に迫ってくる~!」と興奮して叫んでしまう。
ゴールには至らなかったが、これが「This is Liverpool!」という展開。

終わりに

年明け一発目のプレミアリーグもリバプールは完勝。リバプールはここ最近ポジショナルプレーとストーミングのハイブリッドと言われているが、まさにそれを地で行く試合だったと思う。

リバプールは今年欧州王者となったことで名実ともに世界最強のチーム。グアルディオラによる無双状態のバルセロナに近づいてきた感ある一方で、リバプールの圧倒的な攻撃力を警戒し、ガチンコで勝負するチームは少なくなってきたのも事実。今回の試合も徹底的に引かれた中でどう対処するかがポイントだったが、システムの可変によるボール支配と隙を突いた高速カウンターできっちり勝利を収めた。

これでプレミア11連勝。5連続クリーンシート。
20戦19勝1分:勝点58
2位レスターと勝点13差。

悲願のプレミア制覇をまた一つ着実にたぐり寄せた。

ちなみに次戦はFAカップ3回戦、エバートン戦となる。
南野のデビューに期待しましょう!


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コメント

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