はい、来ました伝統の一戦、ナショナルダービー。
マンチェスター・ユナイテッドとの一戦です。
今シーズン第10節での対戦では1-1のドローで、唯一勝利を逃した相手。
リバプールは勝ち点【61】でもちろん首位。対するマンチェスター・ユナイテッドは勝ち点【34】で5位。年明けからぱっとしないマンチェスター・ユナイテッドでしたが、前節のノーウィッチ戦、FA杯3回戦再試合のウルヴス戦に勝利し、いい調子でアンフィールドに乗り込んできました。
Match Information.
リバプール vs マンチェスター・ユナイテッド
@アンフィールド
2020年1月19日(日)
25時30分 Kick Off.
試合結果
リバプール 2 – 0 マンチェスター・ユナイテッド
リバプール/
14分 ファンダイク
93分+3分 サラー
リバプール/
66分 チェンバレン → ララーナ
83分 フィルミーノ → オリギ
83分 マネ → ファビーニョ
74分 ペレイラ → マタ
74分 ウィリアムス → グリーンウッド
87分 ルーク・ショー → ダロット
私的戦術分析・マッチレビュー
もはや隙のないチームになりつつあるリバプールに対して、マンチェスター・ユナイテッドはどのような策をとってくるのか?この観点から見ていきたいと思います。
それでは私的戦術分析・マッチレビューです。
フォーメーション
首位リバプールの基本フォーメーションに変化はない。
今節も【4-3-3】となる。基本的にGK、両SB、左CB、前線3枚の7選手は不動、そして右CBのゴメスも概ねスタメンに定着したと言っていいので、中盤のスタメンは毎試合要チェックだ。
この試合、アンカーにヘンダーソンが入り、IHにワイナルドゥムとチェンバレンと、前節トッテナム戦と同じ布陣となった。
ベンチには怪我から復帰したファビーニョ、そして前節に引き続き南野拓実も入る。
マンチェスター・ユナイテッドは【3-4-1-2】のポジショニング。エースのラッシュフォードは負傷欠場。
マンチェスター・ユナイテッドの意図
試合開始早々から落ち着かない展開となった。
マンチェスター・ユナイテッドは、リバプールのビルドアップに対して前線からタイトなプレスを仕掛ける。
リバプールはファンダイク、ゴメスが開いてパスをつなぐが、相手ツートップと数的同数。
従って、ヘンダーソンがCBの間に下りてきてビルドアップに加わるが、ペレイラもプレスに加わるため、リバプールはビルドアップで数的優位を作れない。
ロバートソン、アーノルドの両サイドに逃げようにも、マンチェスター・ユナイテッドの両SHがケアしているため、出しどころを抑えられていた。
結果的にリバプールは前線へのロングボールが多くなる。
マンチェスター・ユナイテッドの【3-4-1-2】は、リバプールの【4-3-3】に完全にかみ合わせるためのフォーメーションであり、リバプールに対して引くことはせず、積極的に前線から勝負に出ようという意図を感じた。
ガチンコの殴りあいを選んだということである。
リバプールは個の力とセットプレーで。
ガチンコ勝負でもリバプールは強いということを忘れてはならない。
ビルドアップは制御されていたが、前線3枚では数的同数になる。
前線へのロングフィードの起点となるマネとサラーは足元へ収める技術があるため、そこから周りの選手が連動することで、リバプールは主導権を握りつつあったように思える。
そして14分にはCKからファンダイクの豪快なヘッド!
流れの中でなく、セットプレーでもリバプールの強さが光った。
ヘンダーソンについての考察
リバプールのアンカーのファーストチョイスはファビーニョであるが、負傷欠場中にヘンダーソンがアンカーを務めることが多かった。
この試合もそうである。豊富な運動量で中盤のボール奪取や素早いプレスを行っているが、私的にはビルドアップ時に下り方、そしてその後の展開が非常に上手くなっていると感じている。
例えば30分のシーン。
リバプールはアーノルド、ゴメス、ファンダイクが右サイドよりの位置でパス交換を図る。
そしてマンチェスター・ユナイテッドのツートップ+ペレイラがプレスを掛け始めた瞬間、スペースがある左SBの位置にヘンダーソンがそろりそろりと下りる(この際ロバートソンは高めのポジション)。
これによってパスを受けたヘンダーソンは前に広大なスペースがあるため、ドリブルで前進を始めた。
ロバートソンが内側に移動することで相手SHも釣ら、ヘンダーソンの前進はかなり深い位置まで進むことができた。
こうしたディフェンスラインへの下り方とそこからの展開にバリエーションが出てきているのが最近のヘンダーソンだと思うし、この試合もいい動きが多くみられた。
リバプールの締め方
83分にオリギとファビーニョを投入。
ファビーニョは復帰空け助走期間的な投入であったと思う。
この交代によってフォーメーションを【4-2-3-1】に変更。ファビーニョとヘンダーソンのツーボランチ、中盤3枚はオリギ、ワイナルデゥム、ララーナ、ワントップにサラーとなる。
ワントップということと試合終盤ということでリバプールの前線からのプレスは弱め。
従ってマンチェスター・ユナイテッドのビルドアップ位置は高めのラインから始まるが、リバプールはその分後ろに重心を置き、完全に試合を終える方向で締めに入る。
しかし、きちんとサラーを残しておくことは忘れなかった。後半アディッショナルタイム。アリソンがボールをキャッチするとすかさずサラーへ。
必死にユナイテッドのDFは戻るが、サラーのスピードが勝る。難なく追加点を奪うこととなり、最後にきちんとリバプールらしいカウンターを魅せてくれた。
まとめ
第10節で唯一勝てなかったマンチェスター・ユナイテッド。蓋を開けてみれば実力差があったと言っていいような内容でした。
マンチェスター・ユナイテッドは前線からプレスを激しく行うガチンコファイトに行きましたが、それに対応する術をリバプールは持っていたと思います。
これでファビーニョも試運転をし、マティプもベンチに入りしていたので徐々にメンバー層も戻ってきましたが、この充実したメンバーの中で、果たして南野拓実は出場機会があるのでしょうか?次節に期待したいと思います。
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